コーヒーブレイク

Coffee Break Reading
科学、技術、ライティングについての興味深いニュース

不死への競争をリードする扁形動物

染色体の両端にあるテロメアと呼ばれる構造が、老化に重要な役割を果たしていることは良く知られています。つまり、テロメアが短くなるほど、老化のスピードが速くなります。テロメアはテロメラーゼという酵素による調節を受けますが、最近の研究により、扁形動物が自己再生の過程でこのテロメラーゼを非常に高いレベルで発現していることが明らかになりました。ヒドラやヒトデに代表される扁形動物は、彼らの生殖様式と同じ無性分裂という方法を使って、体の欠失または損傷した部分を再生することができます。もし、人間のテロメラーゼの産生を効果的に促進する方法を見つけることができれば、それは私たちを不死の(少なくとも細胞レベルでの)実現へと導いてくれるかもしれません。

Tanらによって報告されたこれらの研究結果は、最近のProceedings of the National Academy of Sciencesに掲載されています。共著者のAziz Aboobaker博士は「我々の次の目標は、より詳細なメカニズムを明らかにし、不死の動物を生み出す方法を解明することである」と述べています。これらのエキサイティングな発見についてもっと詳しく知りたい方は、以下のウェブサイトをご覧ください。 http://www.pnas.org/content/early/2012/02/22/1118885109.abstract?sid=72163015-b1e7-49f8-bbc9-14b3c40b0950

無料で科学書が読めることをご存知ですか!

購読料を払うことなく、何百冊もの科学書をオンラインで読んだり、ダウンロード出来ることをご存知ですか? オープンアクセスの出版社InTech(2004年創業)は、自然科学、工学、技術、生命科学、健康科学、医療、社会科学、人文科学分野の書籍および13のジャーナルに無料でオンライン・アクセス出来るサービスを提供しています。InTechは最近ますます増えているオープンアクセス出版の一つであり、著者の権利を保持しながらも、その知識を他の研究者が制約なく共有出来る方法を提供しています。また、ハードコピーを印刷することも少なくなりますので、環境的にも利益があることは明白です。

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日食の予測

国立天文台が開発したオンライン・アプリケーション(日食各地予報)のおかげで、プロ・アマを問わず天文学者が部分・金環・皆既日食を観測出来る時間や場所を容易に予測できるのをご存知ですか。次回にお客様の住んでいる場所などで日食の観測出来るかどうか調べたい場合には、上記のリンクをクリックし、計算地点(都市名、経緯度、市町村名など)を選択し、計算内容としてリストから関心のある日食を選び、計算の種類を選択するだけで観測予定を教えてくれます。日本で次に観測出来るのは201252106:19–09:02の間、金環日食とされていて、その経路をから見ていくことができます。

日食の観測計画を立てる際には、視力を守るために必要な予防措置をお忘れなく!

クジラの鳴き声を分類する研究を支援しましょう:“Whale Song Project”

人間のさまざまな活動が海中音の主な音源となっており、これが海洋哺乳類に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。海洋哺乳類がさまざまな音の刺激に反応する仕組みと理由を明らかにすることを目的として、彼らの行動に対する音の影響についての研究が行われています。これまでの研究から、シャチやゴンドウクジラがソナー音に反応する際に、彼らが発する鳴き声が変化することが明らかにされています。研究者たちは、これらの動物が発する音について理解を深めることで、海洋生物に対する人工音の影響を軽減するための規制を設けることができると考えています。

そこで研究者たちは、一般の人々に対して、シャチやゴンドウクジラの鳴き声を明確なカテゴリーに分類する作業への協力を求めています。“Whale Song Project”は、この研究への支援を目的として、類似したクジラの鳴き声を照合するプロジェクトです。このプロジェクトの結果をもとに、専門家が鳴き声を適切なカテゴリーに分類し、鳴き声のパターンを特定することが可能になります。なお、このプロジェクトはZooniverseプロジェクトネットワークの一部です(Galaxy ZooAncient Livesについての過去記事も参照してください)。> > >

科学原稿で用いる記号フォント

多くの分野の中で特に数学、物理学、化学に関連する分野では、変数、定数、その他の記号を多用します。しかも、どのフォント ―ローマン(普通の活字)、イタリック、ボールド、太字のイタリックなどなど―を使用するべきか、時々わからなくなります。

たとえば、電子の質量(me = 9.109×10-31 kg)は物理量であるためmはイタリック体で書かれますが、記述子であるeはローマン体の活字で書かれます。さらにkgは国際単位系(SI)であるためローマン体の活字で書かれます。

覚えなければならない規則は多数あるため、アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)が発行した有用な参考資料である「Typefaces for Symbols in Scientific Manuscripts」(科学原稿における記号の活字書体)を共有したいと思います。

http://physics.nist.gov/cuu/pdf/typefaces.pdf

この資料が原稿を執筆する際にお客様の助けになることを望みます!

オックスフォード大学研究者の古文書判読に協力しよう

20世紀初頭にエジプト・オクシリンコス遺跡で文書の断片が大量に発掘されました。オックスフォード大学の研究者たちがAncient Lives Projectを通してその古文書の判読作業への支援を呼びかけています。約50,000点にもおよぶパピルスの断片がごみ捨て場跡地から発見されており、その中には「トマスによる福音書」やプラトンの文書も含まれています。未だ膨大な量にわたる文書の書き換えが終わっておらず、後に続く学者による専門的な翻訳作業に備え、研究者たちはこの文字の判読作業への協力を広く一般に呼びかけています。参加するのにギリシア語を知っている必要はありません!

作業内容は、パピルスの断片に手書きされた文字と参考資料として提供されているギリシャ文字のサンプルとをシステムを使って照合することです。このシステムはズーニバース・ネットワークのプロジェクトの一つとして運営されており(以前紹介したGalaxy Zooも同ネットワークによる別のプロジェクト)、まずシステムにログインする必要がありますが、すぐに文書のギリシャ文字への変換作業を始めることができます。途中データをセーブし、後から作業を再開することも可能です。

この一般市民の手による科学プロジェクトに参加してみたい方は、ログインをする前に以下のサイトで作業方法を確認することができます。http://www.ancientlives.org/guides/tutorial

バイオ工学による再生歯ユニット

英文タイトル‘Functional tooth regeneration using a bioengineered tooth unit as a mature organ replacement regenerative therapy’(再生歯ユニットによる歯・歯周組織の包括的な再生)が電子出版されたことにより、再生医学に再び注目が集まっています。7月12日に米学術誌PLoSに発表された本論文では、日本の研究チームが器官原基(再生歯胚)をマウス口内の歯槽骨への移植に成功したことが報告されており、移植された再生歯ユニット(成熟歯、歯周組織、歯槽骨を含めて構成される)は咀嚼、有害刺激反応を含めた歯の重要な生理学的機能についても立証されました。東京理科大学のウェブサイトにもあるように、この研究の証明により生物工学による臓器置換再生医療は実現へと一歩近づいたことになります。

インパクトファクター : ACS ジャーナル

ThinkSCIENCEでは、米国化学会(ACS)ジャーナル向けの学術論文の英文校正と翻訳を数多く取り扱っております。そこで、ACSジャーナル発行のジャーナルで最も高いインパクトファクターはどのジャーナルなのか調べてみました。> > >

人間の虹彩を見つめ直してみませんか?

先日Dr. Suren Manvelyanによる素晴らしい写真シリーズ「Your Beautiful Eyes」に出会いました。このシリーズでDr. Manvelyanは極めて近距離からさまざまな虹彩の形態を撮えています。

Dr. Manvelyanはアメリカ合衆国のエレバン州立大学で理論物理学の博士号を取得し、現在物理学の先生兼プロカメラマンとして活躍しています。この写真シリーズでDr. Manvelyanは複雑かつ神秘な虹彩の美しさを捕らえることに成功しています。でも残念ながら、彼の写真技術は秘密だそうです。

オンラインでDr. Manvelyanによる虹彩写真に魅惑されましょう。http://www.behance.net/paronsuren/Frame/428809

自己組織化による眼の形成

The Human Eye独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所の発生・再生科学総合研究センター器官発生研究グループらは、マウスES細胞を使った「眼杯様」組織の分化誘導に成功しました。今月号の「Nature」に掲載された彼らの論文「Self-organizing optic-cup morphogenesis in three-dimensional culture」によると、その「眼杯様」組織からさらに生体網膜組織に特異的な多層構造を形成させることに世界で始めて成功しています。彼らのウェブサイト CDB websiteで述べられているように、この画期的な進展は、網膜色素変性症をはじめとするさまざまな網膜変性疾患の再生医療の実現につながると考えられます。

論文には眼杯の3次元的形成過程等に関する動画が添付されています。「Nature」のウェブサイトで是非ご覧ください。

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